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フランスの幸せな大家族 〜子だくさん&キャリアを継続する女性たち〜


年が明けてすぐの1月2日午前、SMSに一通のメッセージが届きました。

そのメッセージは娘の学校のお友達ママから。そこには産まれたての可愛い赤ちゃんの写真👶とともに、「Jour de l’an(元旦)に産まれました〜!」のメッセージが・・・。

彼女の3人目になるお子さんが生まれ、この家庭は一番上の9歳のお子さん、娘と同じ学年の6歳のお子さんと、新しく生まれて来た0歳の赤ちゃんを含めた5人家族となりました。

子供が3人。日本だと少し大きめの家族のように感じますが、ここフランスでは非常に平均的な家族構成です。

🌸

実は娘のクラスには、もうすぐ生まれてくる双子の赤ちゃんを含めて、なんと、もうすぐ7人の子供を含めた9人家族になるという家族がいます・・・!!😲

現時点ですでに5人の子供たちがいるため、(大きな家族だなぁ。)と日々感じていたのですが、お母さんのお腹に次の子、それも双子の赤ちゃんがいると聞いた時には、あまりの驚きに気絶しそうでした。。

まず頭に思い浮かんだのが、(7人の子を持つお母さんって、どんな子育てをしていくのだろう??)ということ。2人でも日々の生活にぐったりすることがある自分が、7人も子供を持つということを想像するだけでも倒れてしまいそう・・・。

何はともあれ、お母さんの負担の大きさを危惧してしまいました。

この家庭以外にも、兄弟姉妹が5人という家庭がクラスに2組。

一人っ子の家庭もありますが、それはごく少数派で、今1人なだけでこの先弟妹が生まれてくる可能性がありそうな家庭が多いのです。

🌸

こちらに来て、フランスの出生率の高さをひしひしと感じます。

そして、その多くの子供を持つお母さんたちの就業率がとても高いこともです。

上に紹介した、3人目を産んだばかりのお母さん、娘のクラスにいる5人以上の子供がいる家庭のお母さん3人のうち、2人は働くお母さんです。

☞フランスの高い出生率

フランスと日本を含めた主要7カ国の合計特殊出生率を調べてみました。

※出典:内閣府 タイトル:主な国の合計特殊出生率の動き(欧米)

単位:縦軸(人)、横軸(年)

上記7カ国の戦後の合計特殊出生率の推移を表したグラフを見てみると、今となっては出生率が非常に高いフランスですが、遡ること1994年の出生率は戦後最低の1.66人でした。

しかしここからV字改革をした結果、2014年には該当7カ国で1位の1.99人という出生率となっています。

一方で、出生率のV字的な回復を現時点で成し遂げられていない日本、ドイツ、イタリア。

🌸

この後で取り上げていきますが、この出生率を見ていくのに、女性の出産前後の労働状況がどうなっているのかという点が大きく関連しているようなので、

以下のとおり女性の労働力率の国際比較を見てみたいと思います。

※出典:内閣府 タイトル:女性の労働力率の国際比較(2005年)

単位:縦軸(人)、横軸(年)

日本のこのグラフは”M字グラフ"と言われているようで、30代での出産を期に一気に就労を抑える傾向があることがよくわかります。

一方でフランス、スウェーデンは、この時期に突入しても就労率が下がらず維持されていることがわかります。

🌸

それにしても、なぜフランス人は子供を多く産む傾向にあり、日本はそうなっていないか?というのが疑問として沸き起こってきます。

実際に友人ママと話をしていると、

子供を多く持つことは、“とても良いことで、幸せを感じられること”と考えることが一般的のように思えるのは事実で、

2人の子供を持つ私にも、

「あなたは次のお子さんは考えているの?」と普通に質問を投げかけられるのです。

フランスの出生率の高さの理由を、簡潔にまとめている資料がありました。

〜フランスの高い出生率を支えるもの〜

  • 高い出産期女性の労働力率(80%)と高い合計特殊出生率(1.89)

  • 手厚くきめ細かい家族手当

  • 第2子以降には所得制限なしで20歳になる直前まで家族手当を給付

  • 子どもが3歳になるまで育児休業または労働時間短縮が認められ、第2子以降の育児休業手当は3歳まで受給可能

  • 保育ママ、ベビーシッターの利用に関する補助金も利用可能

  • 子どもをもつ家庭に有利なN分N乗方式の所得税制(3人以上の子供を育てる家庭は大幅な所得税減税があり)

  • 多様な保育サービス

  • 35時間労働制で男女とも短い労働時間

  • 同棲による婚外子が一般化

※出典・引用:内閣府経済社会総合研究所

上記は2005年の資料ですが、すでにフランスが出生率をV字改革した後に

調査された内容のため引用しています。

🌸

このポイントを見てみると、

①金銭的サポート②保育サービスの充実③短い労働時間④婚外子の一般化という大きく4つのポイントがあるようです。

日本と比較してみると、①の金銭的サポートについては

内容に多少の違いがあるにしても同様の制度があるように感じています。

私が娘を育てながら東京に居住していた時期には、

ちょうど子ども手当が施行された時期でもあり、国の子供へのサポートが母親たちの中でも話題になりました。

実際にフランスでも、私の周囲の友人ママは、子供を3人以上持つことによる減税等の金銭的メリットから、自然と“2人いるなら次の3人目を考えよう”と検討するママが多くいることを感じるのですが、

このサポートが決定的にフランスの出生率を高く、また日本の出生率が低いままの状況を作っているようにはあまり感じないのです。

フランスにいると当たり前となっている、上記ポイントの②保育サービスの充実や③短い労働時間が、実は子供を持っている、または持とうとする親を大きく支えているポイントではないかな?と考え始めるようになりました。

※④婚外子の一般化は、また別の記事でまとめたいと思います。

☞フランスの保育制度及びサービス

フランスの保育制度及びサービスについて、日本と比較しながらわかりやすくまとめている資料がありました。

※出典:日仏女性研究学会 

日本と同様に、フランスには0歳児から子供を預けることが出来る保育園(crèche)が公立、私立共に存在します。

この保育園が日本と比べて圧倒的に充実しているかというと、特にそれほどではなく、私の周りでも

「子供を妊娠したら入園申請をしないと・・・」

と言っている友人も多くいるほど、特に公立の保育園は激戦となるところもいくつかあります。

一方私立の保育園は、私の周囲でも新設されていくのを見かけるため、その点は多少充実しているのかもしれません。

🌸

ただ日本と大きく異なる点は、ここにある“保育ママやベビーシッターの存在”だろうというのは、しみじみ実感しています。

歴史的背景から、フランスは他人に子供を預けることへの抵抗があまりない文化ということもあり、施設として一定の決まり事の中で運営されている保育園と比較して

非常に応用が効き、家庭ごとのニーズに合わせて依頼することが出来るベビーシッターの存在は非常に大きく、子供を持つ親たちを多くサポートする、定着した制度となっています。

よって、もし保育園に空きがなく入園出来なかったとしても、その受け皿となるメニューが存在しているということです。

これは保育制度の資料なので記載されていないですが、祖父母のサポートというのも、親たちを支える大きなもののひとつ。

近くに祖父母がいる家庭は、両親が働いていればもちろん、働いていなくても、祖父母と多くの交流を持ち、サポートしてもらう家庭が非常に多いことを感じます。

(私たちも、祖父母から多大なサポートを受けている家族のひとつです (^^) )

(日本では、なかなか母親が、母親以外の人に子供を預けること(例え祖父母でさえ)が良しとされない文化がありますよね。

※これは色々な議論がありますし、別記事で改めてまとめたい内容です。)

🌸

また3歳から小学校前までは、教育制度は幼稚園に統一され、希望すればほぼ全員が公立幼稚園に入園することができ、さらに公立であれば費用は無料です。

水曜日は午前のみですが、それ以外の平日は、朝8時半から夕方4時半まで(一部異なることもあります)と、長時間の預かり。

この長時間教育はおそらく、2ヶ月に2週間の頻度である多くのバカンス期間を保ちながら教育時間を確保するためのものであると思うのですが、

働く親にとってみると、

多くのバカンス期間を調整したり水曜日の午後の調整をしたり、というのは大変ですが、その期間中に子供をサポートしてくれる保育制度(centre de loisirなど)は充実しているし、ベビーシッターや祖父母等、多くのサポート環境が働く親を取り巻いているように思うのです。

☞フランスの短い労働時間

だんだんと働く親に焦点を絞った話になってきていますが・・・

恐らくこの、親の労働環境と出産・子育て環境の関連が、出生率や家庭の過ごしやすさに大きく影響していることを感じています。

🌸

さて、フランスの短い労働時間についてですが、

フランスは週35時間労働がきっちり守られていて、みんなが多くのバカンスを取得していて・・・というのは、良く聞かれることかと思います。

私自身フランスで企業に勤めているわけではないのですが、周りの友人らを見ていると、彼らが仕事以外の時間を多く持ち、楽しんでいる様子を日々目にしており、

日本で接していた同僚たちとは明らかに違うなぁと思うことがよくあります。

(ちなみに、私自身は東京で10年以上企業に勤め、出産するまで、朝は始業の一時間前には出社し、夜は終電で帰れれば・・・というような生活をしていた、長時間労働体験者です。)

🌸

保育制度の資料を引用させていただいた日仏女性研究会で、こんな面白い資料も見つけました。

働いている親を対象にした、職業生活と家庭生活の様子を、フランス人と日本人で比較した資料です。

※出典:日仏女性研究会 

労働時間が、日本に比べてフランスが短いことは一目瞭然です。

特に帰宅時間の平均を見ると、日本の女性は19時過ぎ、男性に至っては20時過ぎ。

私自身の生活リズムを考えてみてもわかりますが、19時過ぎから急いでご飯を作って食べさせて、お風呂に入れて、寝かせて・・・という“やらなければならないこと”をこなす作業に追われると、子供とゆっくり会話をしたり遊んだり、楽しむ時間というのが非常に取り難くなるように感じます。

それが育児時間として現れているようですが、日本の男女ともに、育児に割く時間が非常に少ないことは衝撃でした。

日仏それぞれの男女間の差を比べてみるのも面白いポイントです。

🌸

先日、フランス企業で働いている友人に話を聞いたところ、

子供を持つ親が同僚より早めに帰宅することはよくあり、それにより周りの同僚にいくらかの負担がかかることはあるけれど、それが“当たり前”とみなす風土があるとのことでした。

日本では、子供を持つ母親が同僚より先に帰ること、そして同僚に負担がかかることに常に申し訳なさを感じ、

「すみません。お手数おかけします」と“謝り続けている”実態があること

また、仕事をまかされた同僚側も、もちろん家庭の事情は理解はするけれど、

(なぜ自分が彼らの負担を追わなければならないのか?)

と、言いようの無い苦痛を感じている人々も多くいるということを見聞きします。

でももし、子を持つ親もその同僚も同様に、社会全体が短い労働時間の環境があれば、子を持つ親の労働時間(ここではイコール仕事量としますが)と、そのサポートをする同僚の労働時間(同上)の差が大きく埋まり、両者に起こる摩擦の軽減にも繋がるように思います。

☞まとめ

フランスが出生率のV字改革をした背景には、文化的、社会的ないくつかの背景があることがわかり、そのまま単純に日本が右にならえにならない部分も多くあると感じています。

多くの親は、子供を持つ前に働いている訳ですが、子供を持つ前と後での、色々な意味での“断絶”があることを、一日本人女性として私自身は感じますが、

フランスではこの断絶がほとんどなく、出産は単に、親自身の継続されたライフスタイルなりキャリアなりの中の一イベントとして捉えられていて、

そんな新しい環境である家庭生活を十分に楽しもうとする姿を見て取れます。

“子供を多く持つことは良いことで、幸せなこと。”

こう多くの人が感じている社会が、子供を多く産む社会に繋がっていることを理解しました。

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